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第一話、でいいのかな?

探偵と自己紹介

※南都高校→なんとこうこう  
  市井喜一→いちいきいち  
  竹外先生→ちくがいせんせい  
  五十嵐涼→いがらしりょう
  伊達洞爺→だてとうや  
  恵庭千歳→えにわちとせ  
  日高えりも→ひだかえりも
  矛野蘇悪怒→ほこのそおど
  三笠北竜→みかさほくりゅう  
  似非セレネ→えせせれね(主人公)
  『六本木』→シックスアタック  
  雑魚→ザコ

  九月一日、火曜日。
  今日から南都高校での日常が再開する。
  夏休みは昨日で終わりだ。

「えー、次はー、えー、我が校でぇー、えー、新しく、えー教師となるえー市井先生のー、えー、自己紹介です。」
  始業式が終わり、新任の教師や、他校から来た教師の紹介を行っていた。…始業式と言っても、バーコード校長(頭頂部のせい)の睡眠電波だけなのだが。
  この『えー』を連呼しているのは進行役にして国文法教師の野原先生だ。この人の授業は大変評判がよく、生徒から
の支持も熱い。…安眠できるので。
  つまり、ただでさえ校長の睡眠電波をくらった後だというのに、より強力なラリホーマをかけられるのだ
  …ヤバいな。昨日(正確には今日)三時間たっぷり寝たのにな。
  うん、最終日ってことでハイになってたんだよ。やんなきゃいけないこともあったし…。
この学校では全員イスを持っての始業式なのだが…、皆頭をこっくりこっくりさせ、ドリームランドへと旅立ってしまっている。
くっ、私も…もう、ダメ…。
「新しくこの学校にやってきた市井喜一だ。僕はいわゆるーー」
誰も聞いてねえよ。野原先生の魔力恐るべし。
…おやすみなさい。


体育館から二ーBに戻ってきてしばらくすると、副担の竹外先生が入ってきた。
「あーみんなー、知っているか?」
竹外先生はマジメでカッチカチな(筋肉の話ではない)先生であって、こんなフレンドリーでフランクな語りをする先生ではない。後、心なしか目が虚ろだ。
…そう言えば朝から担任の五十嵐涼先生(知的な美女)を目撃していない。
「あー五十嵐先生は産休をとるってよ。」
サンキュー?いや、産休。
騒がしかった教室が途端に静かになった。
それ程人気の教師だったのだ。授業は分かりやすいし、何より美人だし。
「なんでも幼馴染の子供を産みたいとか…。し、か、も、だ!その幼馴染(男)は他にも七、八人の女に手を出しているタラシだという…!」
少子化対策バッチリな家庭だな、おい。
「うわあぁぁぁぁぁぁ!俺の淡くて切ないこの想いはどうなるんだあぁぁぁ!そりゃ夏休み中いくら誘っても乗ってくれないワケだよ!最終日の昨日、いきなり会いたいとか言われて、会ってみたら六時間にわたってノロケ話されちゃったよ!」
ん〜、悲惨だ。
竹外先生も見た目は悪くないと思うよ。…私は全く興味ないけど。
「コホン、というワケで、担任は新しい先生がやることになった。」
どーゆーワケよ。
今までアンタ愚痴ってただけでしょーが。
「では入ってきてくれ、市井。」
ガララッ。

「僕が今ワトソン君に紹介された市井喜一、探偵だ。何か事件はないか?」

「って教師じゃねーじゃん!なんだよこのイタい奴!後、竹外先生はワトソン君じゃねえよ!」
とツッコミをするのは二ーBのツッコミマスターこと伊達洞爺君だ。…確かに入ってきたその男はトレンチコートにベレー帽という、いかにも探偵っぽい感じだった。いや、探偵のコスプレかな。
「シャーラップ!」
「ガハァッ」
市井探偵の投げた白いチョークが洞爺君の額に直撃する。…なんでだよ。
「いいか?諸君。何かトラブルがあった時には落ち着いて、行動するんだ。今の伊達のようにツッコミしようなどとは考えてはいけない。探偵というのは尋ねるのではなく、喋らせるのが仕事だからだ。分かったか?二ーBのツッコミストたちよ。」
誰も探偵目指してねーよ。
「コラ、恵庭、ちゃんとノートを取っておけ。」
「あの、誰も取ってないんですけど…。」
そりゃそうだ。
「なんとなく君を助手、もしくは弟子にしたいからだ。」
あっ、コイツ絶対千歳ちゃんの胸狙いだな。…大人顔負けのサイズだ。
「えぇ〜そんなぁ〜。」
「頑張れ、恵庭千歳。」
なぜフルネーム。
そして千歳ちゃん、ホントにノート出さなくていーから。
「だが君らはまだ探偵ではない。特別に質問を許可しよう。」
うざっ。
うっざっっ。
「市井先生!」
「シャラップトゥー!」
赤チョークが質問しようとした洞爺君の額に再び直撃する。
…多分、シャラップは可算ではないハズだ。というか名詞じゃない。
「ぐっ。」
「僕は探偵だ、先生じゃない。…伊達、ミスが目立つぞ?」
いや、お前は教師だ。
「あの〜、市井探偵。」
「なんだ、日高えりも。」
「なんで探偵が担任に…?」
「…フッ、話してやってもいいかな。」
ゴクリ、と皆が息を呑む。
ちょっとくらい洞爺君を心配してやって欲しい。…モチ、私はしないけど。
「夏休みのある日のことだ。僕はいつものように猫を追いかけたり、浮気調査したり、などつまらない依頼をこなしていた。で、母校の先生、まあこの学校の理事長なんだけどさ、相談してみたんだ。」
探偵を教師にするってどんな理事長だよ。
「最近ハマったナイフ回しを見せてあげたら、すぐに雇ってくれたよ。」
なんだよナイフ回しって。ペン回しの親戚みたいに言うな。
「他に質問はあるか?」
「い、市井探偵っ!」
「シャラップスリー!」
青チョークが洞爺君の額に。
命中率高いなー、『つめとぎ』でもしたんだろうか。
「グハッ。」
「ミスター凡ミスの君に質問する権利はない!」
探偵は『犯人は……お前だ!』のポーズで洞爺君を指差す。
…決めポーズの使い所がおかしい。
「他に質問はあるか?」
「じゃあ俺から。」
金髪の男が手を挙げる。
「なんだ、矛野蘇悪怒。」
「市井探偵の基本データを教えていただけないでしょうか。」
「ふむ、そこに目を付けるとはなかなかだな。」
「…ありがとうございます。」
「市井喜一、二十五歳、男、独身。身長百七十八cm、体重六十七kg、職業探偵、種族探偵、人種探偵、特技推理、趣味推理。好きなタイプはラン姉ちゃんだ。」
あー毛利さんトコの娘さんですね、わかります。
ちなみに矛野君は机の中で、何やらiPhoneに打ち込んでいた。
「もう何もないか?無ければ終わるが…。」
「おい。」
「…探偵に向かっておいとはなんだ!」
教師に向かって、だろ。
つーかむしろ探偵はキレられたりする場面が多いと思うのだが。
「わいは三笠北竜。悪いがのう、わいはアンタがどーーにも信用できひんのや。何か教師らしいことをやってくれへんか?」
見た目がVシネチックな北竜君だ。
一応ウチのクラスの副代表。
「ふぅむ…、確かに初対面の相手に教師と言われても実感は湧かないし…、信用もできない、か。」
ほとんどの高1は春にそうなるんだが。初めての担任は必ず初対面だ。
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